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就職・キャリア

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社会福祉学部 児童福祉


社会福祉法人 ひかりの園
子ども発達センターたっく 児童指導員

西尾崇嗣 

聖隷クリストファー大学 社会福祉学部社会福祉学科
社会福祉専攻卒業

 私は聖隷クリストファー大学社会福祉学部社会福祉学科の第2期生です。大学を卒業後、児童発達支援に関わり、約10年になります。

 仕事をしていく中で、自分の経験・知識・技術を使い「自分は今、何をするべきか、何ができるのか」を考える機会が多くなりました。それと同時に、「保育所等訪問支援」という業務を行う機会が増えてきました。「保育所等訪問支援」とは、保護者の依頼を受け、保育園や幼稚園、学校に伺い、対象者となる幼児・児童の状況や今後の支援を先生方と確認し、保護者に報告する取り組みです。

 訪問支援では、児童発達支援の専門職として意見を伝えることはもちろんですが、保護者や先生方の考えや想いを理解し、児童の支援に反映をさせていくことが求められます。保育士等の専門的な援助技術と同時に、社会福祉士としてのコーディネート力が必要です。自分自身、「社会福祉士として、施設内での役割は何か」を考えていた時期でもあったため、訪問支援を行ったことで自分の役割が明確になりました。

 福祉や医療の現場では、多職種連携の大切さをよく耳にしますが、教育と福祉の間においては、まだ十分な連携がなされていないと感じています。このことから、教育と福祉の連携について想いを強く持つようになりました。

 連携を上手くとるために、教育を考える学校に、個々の自己実現や個別支援を考える福祉の考え方をどのように伝えるかを考えています。まずは共通の評価基準を持つことが必要だと考え、訪問の際に、簡易的な検査(KIDS等)の結果を持っていき、状況の共有に活用しています。 
 このような機会を重ねる中で、訪問先の先生方との状況共有がスムーズにできるようになってきました。各専門の職員が自分の専門分野としての意見を出し合い、最善と考える支援を共有し、実践していくことが対象者のためになると考えています。地道な活動ですが、少しずつ理解者を増やしていきたいと思っています。

 個人としては新版K式発達検査や田中ビネー知能検査、WISC等の検査結果を正しく読み取り支援に反映させる力、他者に伝える力を身につけていきたいと考えています。また、福祉の視点を他分野、地域に広げていきたいと思います。そのためにも、大学院へ進学し、さらに学びを深めたいと考えています。

 さらに、自分の知識を深め、視野を広げ、周りを取り巻く状況を的確に捉えた上で、自分の色も出しながら、福祉の現場を活気づける取組みを行っていきたいと思っています。
出典:2016年4月発行「広報誌クリストファーVol.4」

社会福祉法人 静岡福祉事業協会
母子生活支援施設 千代田寮

阿部 舟平 

聖隷クリストファー大学社会福祉学部
こども教育福祉学科
2014年度卒業

当たり前が当たり前ではなかったということ

 私は中学生の頃、児童福祉に興味関心を持ち、施設職員への道を選ぶことにしました。在学中の実習で母子生活支援施設に実習に行き、虐待と根強い関係にあるDVについて知り、母子支援を行っている千代田寮へ就職しました。現在私は少年指導員リーダーとして、主に児童支援に携わっています。

 現在千代田寮に入所されている方の8割のケースがパートナーからのDVや虐待から逃れる為に離れた土地から入所しています。就職して8年経ち様々なケースを支援していく中で共通して思えることは、「ああ自分って幸せに生きてきたんだな。」ということです。

 暴力を受けるからという心配もせず、キレイな衣服を身に付け、ご飯を食べ、学校に行き、勉強して、友達と遊ぶ… 自分が今まで何不自由なく生活してきたことは当たり前だと思って生きてきました。しかし暴力やゴミ屋敷等、劣悪な環境で生活してきた利用者からしてみると、自分が当たり前と思ってきたことが、実はとても幸せなことで、自分が何も困らず当たり前に今まで生活できたのは両親や友人等、周りの人々のおかげであるのだと改めて気づかされました。

 トラウマ経験や今までの経験から、簡単に健康的な生活に戻ることができるケースはほとんどありません。ですが、利用者が私たちが思う当たり前のことを「当たり前」だと思えるようになれる日まで、これからも支援を続けていきたいと思います。
出典:2023年4月発行「聖隷クリストファー大学同窓会 会報Vol.29」