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リハビリテーション学部_言語聴覚士


東京工科大学医療保健学部
リハビリテーション学科 言語聴覚学専攻 助教
言語聴覚士

内山美保 

聖隷クリストファー大学リハビリテーション学部
言語聴覚学専攻 2008年度卒業
聖隷クリストファー大学大学院 リハビリテーション科学研究科
言語聴覚療法科学分野 発声・発語障害学領域
博士前期課程 2014年度修了

私にとって人生の大きな転機

 私は、言語聴覚士として甲府城南病院と聖隷三方原病院に勤務した後、2021 年4 月、東京工科大学に教員として着任しました。学生時代のアドバイザーであった池田泰子先生と同じ職場で、言語聴覚士養成教育に携わっています。地元浜松を離れ、魅力ある言語聴覚士の臨床現場から離れることは、私にとって人生の大きな転機でした。

 着任して3 年が経ち、講義や実習だけではない様々な学生への対応や、学内外の業務を通して、言語聴覚士の臨床と養成教育は、根本は共通していることを実感しています。情報収集、評価、目標設定、訓練、再評価といった臨床での流れは、担当科目の授業構成や課題内容を考える上でも、学生の変化を捉える上でも、大切な視点となります。また、カルテと同じように、細かな気づきや客観的な記録を残していくことが、授業や学生支援の中での自分自身の振り返りにつながっています。

 そして、大学での勤務に加えて、近隣の障害者支援施設において、利用者の方のコミュニケーションや摂食嚥下機能に関する支援を行っています。これまで私が経験してこなかった、福祉の現場ならではの難しさや奥深さに触れたことがきっかけとなり、2023 年度からは大学院博士課程に進学し、障害者支援施設における摂食嚥下障害の支援に関する研究に取り組み始めました。学生として、教員として、臨床家として、人との縁を大切にしながら、これからも頑張っていきたいと思います。
出典:2024年4月発行「聖隷クリストファー大学同窓会 会報Vol.31」

浜松市リハビリテーション病院 言語聴覚士

萩原里恵 

聖隷クリストファー大学リハビリテーション学部
言語聴覚学専攻 2013年度卒業

目標は「患者さん一人ひとりに合わせた個別性の高いリハビリの提供」

 私が大学を卒業して言語聴覚士となってから、今年で3年目になります。私が勤務している浜松市リハビリテーション病院は、リハビリスタッフが130人と多く、聖隷の卒業生も大勢います。言語聴覚士は17人いますが、4人の聖隷生がおり、先輩・後輩ともにとても心強い存在です。 

 在学中は、それぞれの分野でご活躍されている先生方の下で、熱いご指導をしていただきました。特にグループワークでは、実際に患者さんに対して、評価や訓練をさせていただく中で、患者さんとの関わり方や、評価・訓練の考え方など、多くのことを学びました。今でも、授業でいただいた資料や添削していただいたレポートなどは見返すことが多く、臨床にとても役立っています。

 現在は、『患者さん一人一人に合わせた個別性の高いリハビリの提供』を私自身の目標にしています。患者さんに合わせた訓練を立案することの重要性は、在学中にも教えていただきましたが、臨床に出ると、患者さんが生活されてきた環境やニーズは、患者さんによって異なるということを痛感する毎日です。
 患者さん・ご家族の方がどんな生活をされてきたのか、何に困っていて、何を必要としているのか、退院後はどんな生活を望まれているのかを伺いながら、訓練プログラムを立案することを心がけています。まだまだ至らぬ点が多いですが、在学中に学んだことを生かしながら、よりよいリハビリは何かを日々考えて、臨床に取り組んでいきたいと思っています。
出典:2016年9月発行「聖隷クリストファー大学同窓会 会報Vol.16」

岡崎市民病院
言語聴覚士

夏目彩可 

聖隷クリストファー大学リハビリテーション学部
言語聴覚学専攻 2007年度卒業

がむしゃらに頑張っていた時の初心を忘れず、今後も臨床に励みたいと思います

 私は、愛知県の西三河南部地区で第三次救急医療を担う急性期総合病院に勤務しています。大学を卒業してからリハビリテーション病院に勤めていましたが、もっと嚥下障害の領域に深く関わりたいと考えるようになり、2016年から現在の病院へ転職しました。

 嚥下障害といっても原因となる疾患はさまざまで、回復期のリハビリテーション病院では経験できなかった疾患の患者さんを多く担当しています。大学時代は、専門基礎科目の生理学、病理学、内科系医療学などが苦手でした。しかし、実際に患者さんと関わるようになってから、疾患の原因、症状、治療法、予後など調べるため、自然に本へ手が伸びるようになり、苦手意識が薄れていきました。目の前の患者さんの力になりたいと必死だったからだと思います。

 急性期の病院に転職したのは嚥下障害に多く関わりたいという動機でしたが、コミュニケーションの観点から印象に残っている患者さんがいます。ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方で、入院当初は口頭でのやり取りが可能でしたが、徐々に日中も人工呼吸器の管理下にある時間が長くなり、随意的な発声が困難な状態になりました。それでも声を出して家族とコミュニケーションを取りたいというご希望があり、呼吸・発声訓練を行いました。
 腹部圧迫介助をすることで、久しぶりに声が出せた時の患者さんの驚いた顔、ご家族の嬉しそうな笑顔が今でも忘れられません。言語聴覚士という職業の醍醐味を味わえた瞬間でもあり、今後もこの仕事を大切にしていきたいと強く感じる出来事でした。

 今の病院に転職して1年半が経ちますが、まだまだ勉強不足なところがあり、患者さんから教わることもたくさんあります。言語聴覚士になったばかりでがむしゃらに頑張っていた時の初心を忘れず、今後も臨床に励みたいと思います。
出典:2017年9月発行「聖隷クリストファー大学同窓会 会報Vol.18」

富山県厚生農業協同組合連合会高岡病院
言語聴覚士

毛利 永吏子 

聖隷クリストファー大学大学院 博士前期(修士)課程
リハビリテーション科学研究科
言語聴覚学分野(教育学コース)在学中

大学院進学という大きな決断で得られたもの

 私は富山県にある厚生連高岡病院という総合病院で言語聴覚士として働きながら、インターネットを活用した遠隔授業やゼミに参加し、摂食嚥下障害やリハビリ職種の教育方法について学んでいます。
 私の勤めている病院はいろいろな科がある総合病院ですので、お子さんの嚥下や発音の障害・緩和ケア病棟での取り組み・栄養サポートチームとしての活動など、多岐にわたる専門的な知識をつけるために、卒業後も継続した学びが必要でした。中でも「臨床能力を高めるためのよい学びの方法は何か?」ということは、私にとって大学院進学を決意させるほどの大きな問題でした。

 言語聴覚士になって10年以上たちますが、臨床を行っているだけでは臨床能力が上がっているなと実感することが出来ずにいました。また、富山県言語聴覚士会の活動においては学術部長として県士会員が学術的な活動をするときのサポートなどを行っています。その活動の中で、他の言語聴覚士が私と同じように卒業後の学びについての悩みを持っていることを知りました。
 聖隷クリストファー大学 大学院には教育コースがあり、ここでは「リハビリテーション療法士を育成するための知識」を学ぶことができます。自分自身がもっと多くの知識を効率よく習得する方法を学ぶために、また、これから成長していく若い言語聴覚士の方が私のような苦労はせずに、卒後の臨床を実践しながら、自分で学んでいくにはどんな方法があるか教えてあげられるように、この大学院で「教育」について学んでいます。
 自分一人で学習を続けていたときは、臨床の中で生まれた疑問を誰かに相談し、新しい知識を得るまでに、たくさんの時間と労力が必要でした。大学院に入ってよかったと実感していることは、臨床の中である問題を、すぐに教授やゼミの皆さんと共有することができ、問題解決までのスピードが格段に上がったことです。そして、大学院で得た知識をすぐに臨床に応用し、治療に生かせるのもよかったことの一つです。

 働きながら学ぶということは時間や経済的に大変なことも多いですが、このように実践の場を持ちながら研究や学習を行うことは、臨床能力を向上させるためにはとてもいい方法だなと実感しています。
 実際には多くの方が、学生の頃よりも、臨床に出てからのほうが「学びたい、学ばなければ」と思うことが多いと思います。大学院進学は大変な決断と思いますが、得られるものはとても大きいです。臨床で働いていらっしゃる言語聴覚士の皆さんもぜひ大学院で学びながら働くという貴重な体験をしてみて欲しいです。
出典:2016年4月発行「広報誌クリストファーVol.4」

合同会社つばめ
代表

小島 亜矢花 

聖隷クリストファー大学
リハビリテーション学部言語聴覚学専攻
2007年度卒業

 昨年、介護包括型共同生活援助「グループホームつばめ」を立ち上げました。浜松市内に3施設、合わせて定員13名の小さな事業所です。
 長年勤めた言語聴覚士としての職を去り自身で会社を作るに至ったきっかけの一つは、様々なしがらみにとらわれず、対象者さんの生活に寄り添った支援がしたいと思ったことです。その中で、これまでの経験や、周囲の人々の影響を受け、障がい者の親亡き後の居場所、社会的入院を余儀なくされる精神科病棟への患者さんたちの行き場をと、この施設を作りました。

 資格、経験ともに、周囲からの信用を得るには十分とは言えず、まだまだ発展途上の施設ではあるでしょう。しかし、言語聴覚士時代に培ってきた観察力や判断力、対象者さんとのコミュニケーション技術は現在の仕事にもおおいに通じるところがあります。
学生時代、就職活動に悩む私に先生がかけてくださった言葉を今でもはっきりと覚えています。「本当にやりたいことがあれば、それはいつでも遅くない。」

 慣れない業務や会社の代表としての責務に気持ちが押しつぶされそうになることもあります。しかし、信頼できる職員にも恵まれ、小さな事業所ならではの極め細やかな支援を心がけることで、入居者さんたちは日を追うごとに落ち着いた生活を得ていくように見えます。入居者さんたちが、安心した表情で、新しい生活を踏み出す努力をしている姿を見ていると、本当にやりたいことを私は見つけたと、心からそう思えます。
出典:2017年9月発行「聖隷クリストファー大学同窓会 会報Vol.18」