グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


就職・キャリア

ホーム >  就職・キャリア >  卒業生の活躍 >  看護学部 保健師

看護学部 保健師


静岡県西部保健所浜名分庁舎
保健師

宮地俊行 

聖隷クリストファー看護大学
看護学部看護学科

 聖隷クリストファー看護大学を卒業して16年が経ちました。もともと福祉関係の大学で勉強している時に、聖隷三方原病院で実習をさせていただいたことがきっかけで、看護や保健の道に興味を持ち、聖隷クリストファー看護大学に入学しました。

 卒業後は、静岡県に就職し、県立総合病院で1年間看護師を経験した後、保健師として静岡県西部保健所、中部保健所、県庁健康増進課を経て、現在、西部保健所浜名分庁舎に勤務しています。
 浜名分庁舎は湖西市新居港の畔にある小さな事務所で保健師2人、薬剤師、獣医師が各1人配置されています。対人関係業務だけでなく犬、猫などの動物や食品関係などのさまざまな相談が日々持ち込まれます。私はそこで結核などの感染症や難病対策を担当し、忙しいながらも充実した毎日を送っています。

 学生生活をしていたのが、つい先日のように思い出されますが、就職してから今までを振り返ると、次々と新しい法律、制度ができ、社会全体の環境が大きく変化してきていると感じます。

 保健所では精神保健を長く担当してきました。精神に障害がある方の地域生活支援の中心が市町に移行する中、県の保健所は精神保健福祉法に基づく通報対応や措置診察など医療的緊急度が高い方への対応が中心になっています。

 しかしながら、医療的な介入のみで問題が解決できない場合も多く、対象となる方が地域で安心して生活するために、何が必要なのかを通報対応時から考えていかなくてはならないと強く感じています。

 制度や法律が変わっても、地域で生活する人が「自分らしく生きていきたい」という思いは変わりません。「その人らしい人生」を送るために保健師として何ができるのか、現在の制度や法律に照らし合わせて、使えるサービスは何か、フォーマルな制度だけでなくインフォーマルなサービスも含めて、コーディネートすることが重要であると日々の活動の中で痛感しています。そのためにも普段から市町や病院、相談支援事業所、訪問看護などの関係機関と連絡、調整をすることで、円滑な対応ができるように心掛けています。

 自分ひとりの力でできることは限られています。家族や地域の関係者と連携し、協力して取り組むことで、本人を支える大きな力になることができると思います。 みんなが住み慣れた地域で笑って暮し続けることができるように、これからも頑張っていきたいです。
出典:2017年9月発行「広報誌クリストファーVol.7」

浜松市役所健康福祉部 高齢者福祉課
保健師

鈴木 恵理子 

聖隷クリストファー看護大学 看護学部看護学科卒業
聖隷クリストファー大学大学院 修士課程
看護学研究科 地域看護学分野修了

 浜松に移り住んで20年以上が経過します。大学の受験で浜松市を訪れた際に、「この大学で学びたい、この街で暮らしたい」というインスピレーションを感じ、そこから浜松市での生活が始まりました。

 大学へ入学した時には看護師になるという夢を抱いていましたが、地域看護実習で普段の生活の場で看護を行うことに魅力を感じ、急遽保健師になると方向転換し先生方には就職活動において大変お世話になったことを思い出します。

 卒業後は舞阪町役場に保健師として就職し、失敗もありましたが、上司や地域の方々に支えられ、小さな町の保健師として地域密着型の保健師活動を行っていました。保健師の仕事は、生まれてから亡くなるまでのすべての方を対象として対応していかなければならず、それが大変でもありまた奥深さでもあります。
 そんな仕事の素晴らしさが感じられるようになり勤続5年が経過した頃「もっと大きな視野で地域を捉え、看護を行いたい。ステップアップしたい。」と思い始め、大学院へ進学することを決意しました。

 仕事が終わった後に大学へ向かい、休みの日も授業や研究の準備で追われ、仕事でも市町村合併の時期と重なり、心身ともに大変でしたが充実した3年の大学院生活でした。大学院では、仕事をシステマチックに捉えることや業務において評価を行うことの大切さを学ぶことができ、大学院へ進学してよかったと思います。

 合併後は、浜松市の保健師として働いており、健康づくり分野だけではなく、精神保健分野、高齢者福祉分野と色々な課を経験させていただいています。

 現在は、高齢者福祉の分野で認知症施策を担当しています。新たな事業や地域包括ケアシステム構築への取り組み等、今まで経験したことのない業務で日々苦労をしていますが、これもまた自分自身の貴重な経験として捉え、前向きに取り組んでいます。

 勤続20年という大きな節目もあと数年でやってきます。自分のやってきたことを振り返り、今後理想とする保健師像を描き直し、少しでも近づけるよう、新たな挑戦をし続け、仕事に励んでいけたらと思います。
出典:2016年4月発行「広報誌クリストファーVol.4」

磐田市健康福祉部健康増進課 健康支援グループ
兼 企画部 秘書政策課
シティプロモーション推進担当
保健師

伊藤貴規 

聖隷クリストファー大学 看護学部卒業

 私は、聖隷クリストファー大学看護学部10期生です。聖隷三方原病院看護師、磐田市立総合病院保健師を経て、磐田市健康増進課保健師として、2013年度まで特定健診・がん検診事業、2014年度からは地域医療連携や介護予防事業に関する業務を担当しています。加えて、2014年の10月から秘書政策課シティプロモーション業務を兼務し、専門職である保健師も市全体を広い視野で見ること、他部署の政策を学ぶことや人と繋がることの大切さを改めて実感しています。

 現在、私が担当している地域医療連携事業は、来るべき2025年、その先の未来を見据え「住民が安心して暮らせる地域」であることを目的としています。そのために、多職種・多機関が連携する必要がありますが、顔も知らない相手と連携するのは難しいです。そこで磐田市では、2015年1月から多職種・多機関の従事者がお互いに顔や業務が見え、相談しあえる関係を築くために、「多職種連携のための事業所間交流研修プロジェクト」を実施しています。

 このプロジェクトは、市内で働く医療・介護・福祉従事者が、市内の研修者受け入れ事業所(磐田市立総合病院、開業医、地域包括支援センター、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所等)の中から、研修をしたい事業所を自分で選択し、1日研修を実施するというものです。 

 プロジェクトの企画にあたり、以前から興味のあった訪問看護ステーションいわたの長瀬所長にお願いをして、実際に1日訪問看護の研修を実施させていただきました。
 私は、たった1日の研修でも、「地域で一緒に働いている人を知る」「自分を知って貰える」ことに加え、研修先の実際の現場を見て「仕事内容を知る」ことができ、この研修を地域で働く医療・介護・福祉従事者の多くが経験することにより、一人ひとりの意識が変わり、相互の関係が生まれ、地域が繋がっていく可能性を感じました。プロジェクト実現のために、多くの事業所に足を運んだ結果、現在研修者を受け入れていただける事業所は市内43ヵ所、研修希望者は数十名になっています。

 また、仕事以外では、地元の消防団活動に加えて、磐田を若い力で盛り上げようと頑張る仲間と一緒に、5年前に若者いわたネットワーク(WIN)を立ち上げ、現在はWINの事務局長として活動しています。(WINは、18歳~35歳の約80人のメンバーで、河川美化活動や市内イベントのお手伝い、いわたゆきまつりの企画・運営等をしています。一緒に楽しめるメンバー募集中です。)さらに、2014年初めて静岡県男性保健師の集いを企画し20人程集まったので、今後も継続して開催をしていこうと考えています。

 今後も保健師として、一市民として、「地域の繋がり」をつくり、住民が住みやすい地域になるよう、頑張っていきます。
出典:2015年4月発行「広報誌クリストファーVol.2」

掛川市役所
保健師

中山 香 

聖隷クリストファー看護大学
看護学部看護学科卒業

 「保健師さんってどんなお仕事?」これまで、様々な場面で周囲の方からこのような質問を受けてきました。生涯を通じて、行政保健師との関わりがない方はほとんどいらっしゃらないと思うのですが、保健師の業務は幅広く、一般の方々からすると何をしている職種なのかイメージが湧きにくいのかも知れません。入庁して20年、成人保健、母子保健、障がい福祉、地域包括ケア、発達支援と様々な分野を経験させていただきましたが、私自身も、その都度変わる業務内容や対象者に戸惑ったり悩んだりしたことは少なくありません。それでも、新生児から高齢者まで、地域で生活するすべての人々の健康を支えること、個人だけでなく、家族、地域へと視野を広げて事業を展開すること、多職種連携により支援をつないでいくことなど、行政保健師ならではの醍醐味を感じることもできるようになってきました。

 どこの部署に配属されても常に大事にしてきたことは、対象者の気持ちを尊重するということです。支援する側として望ましい方向性があったとしても、対象者がそれを望んでいない場合には、その選択が正しいとは言えません。ご家庭の状況、ライフスタイル、価値観等、一人として同じ方はおらず、支援者がその方の人生を代わりに生きることはできないからです。正解がひとつではないからこそ、可能な限りの情報提供をし、対象者に寄り添いながら、その方なりの選択を支援していくことが重要なのではないかと考えています。平成30年4月に開所された『発達相談支援センターのびる~む』では、開所から4年間、担当として運営に携わらせていただきました。発達に不安を抱える方やそのご家族、関係者からの相談を伺うことは、悩みをもつ方に寄り添い、共に考えることの大切さを改めて学ぶ機会となりました。

 令和4年度からは、入庁後2回目の母子保健担当となり、乳幼児健診や療育教室などでこどもたちの笑顔に癒されながら、また傍で支えてくださる皆さんに助けていただきながら業務に励んでいます。まだまだ勉強不足ではありますが、発達支援に携わった経験を活かし、公認心理師の資格も取得しました。少子化、家族形態の多様化など、保護者やこどもを取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。支援を必要とするご家庭が増えている現状を肌で感じつつ、行政保健師として何をどこまでできるのか模索する日々です。今後も住民の方々とのつながりを大切に、「保健師さん、こんなこと言っていたな」とふと思い出していただけるような、身近な存在であれたらと思います。そして、住民一人ひとりが、地域で自分らしく安心して生活できるよう、少しずつでもお手伝いをしていきたいと考えています。
出典:2023年4月発行「広報誌クリストファーVol.14」

ヤマハ発動機株式会社
人事部安全健康推進グループ
保健師

波多野 美咲 

聖隷クリストファー看護大学
看護学部看護学科卒業

 早いもので卒後20年。病院勤務を経て、現在はヤマハ発動機株式会社に勤めています。

 弊社はモーターサイクルを中心に、ボートや船外機などのマリン製品、電動アシスト自転車や車椅子、無人ヘリコプター、FRP製プール、産業用ロボットなど、事業の多軸化とグローバル化を進めている企業です。『感動創造企業』を企業目的として「世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」ため、10,000名を超える社員が国内外で働いています。

 私は本社に在籍し、産業医や看護師、管理栄養士、カウンセラー、企画スタッフと共に、法的義務を果たすにとどまらず、社員がより活き活きと働けるよう、心とからだの健康づくり活動に取り組んでいます。

 具体的には、健康診断や保健指導、健康教育、一般診療、緊急時対応といった健康管理の他、過重労働対策、メンタルヘルス、職場復帰支援、職場巡視、職業性疾病の予防、受動喫煙防止・熱中症対策など、労働衛生管理に関わっています。
 1日の大半を過ごす会社生活が社員の心身に与える影響は大きく、最近では、定年後再雇用により60歳以上の社員が増加している実情を踏まえ、シニア世代も働きやすい職場づくりにも力を入れています。その他、災害時の対策や、海外で活躍する社員や海外から受け入れる外国人研修生の健康管理・感染症対策でも、大きな役割を担っています。

 在勤14年で多くの業務を担当してきましたが、産業保健の分野は幅広く、また社会情勢や法改正の影響も受け、日々苦労は絶えません。効果的な保健指導を実践する難しさも感じます。それでも、社員から「頼りにしている」「いてくれると安心する」といった声をいただけるのは嬉しく、仕事を続ける上で励みになっています。

 また、バイクレースやスポーツの感動を社内で共有できるのは、弊社ならではかもしれません。世界最高レベルのライダーや弊社ラグビー部であるヤマハ発動機ジュビロの選手との交流、スタジアムでの観戦は、大いに盛り上がります。職場の枠を越えた一体感が、業務においても良い影響をもたらしていると感じています。

 弊社のブランドスローガン『Revs your Heart』には、“質の高い商品やサービスを提供し、お客様に心躍る瞬間や感動をお届けしたい”という想いが込められています。私も専門職として、様々な経験を通して自分らしさや感性を磨き、相手の心に響くような存在感のある保健師をめざして、今後も努力していきたいと思います。
出典:2015年4月発行「広報誌クリストファーVol.2」

加賀市役所
地域包括支援センター
保健師

北村 喜一郎 

聖隷クリストファー看護大学
看護学部看護学科
1998年度卒業

すべてはそこに住んでいる‘‘住民のために‘‘

 「保健師」は、地域の特性や地域の社会資源を把握し理解しているからこそ、課題と課題を結びつけ、資源と資源をつなぎ、地域特性に応じたまちづくりを行うことができる職種です。ある一つの健康課題に着目し、地域の伝統や文化をも考慮し、既存の資源や集まる機会を最大限いかし、有効に活用することで、地域に見合ったかたちで無理なく解決することにもつなげられるのです。また、そこにすむ人々の生活実態などを敏感にキャッチし、いつでも時代と場に応じて活動を展開していく職種です。とてもやりがいのある仕事です。

 私が所属している市地域包括支援センターは、21,000人を超える高齢者の生活を支える総合相談機関として日々ご自宅へ家庭訪問を行い、その人の暮らしを支えるお手伝いを行っています。

 「住民の横に立ち、住民の考えをしっかりと自分のものにする」
 これは、私が尊敬する旧水口町の保健師の堀井とよみ先生の言葉です。なかなか自分のものにはできませんが、地域課題に向き合いながら、住民とともに「地域で生きている」と実感できる加賀市を微力ながら作り上げていきたいと日々訪問活動を行っています。

 何げなく歩いていると、「あっ北村さん。この前は相談に来てくれてとっても助かったよ。あんたに相談して正解やったわ。」何よりのほめ言葉です。自分の担当地域を歩くのが楽しみです。今から保健師を目指す皆さんも、やりがいのある「保健師活動」を一緒に取り組んでみましょう。

 「保健師」は、ほぼ毎日違う仕事をする、違う場所で仕事をしています。ルーティン業務もありません。想像力や柔軟性があればあるほど日々の仕事は楽しく、生きがいややりがいにつながります。聖隷の建学の精神「隣人愛」=自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい。学生時代に培ったたくさんの仲間とともにこれから、「良い関係力」をつむいでいってください。応援していますよ!
出典:2016年9月発行「聖隷クリストファー大学同窓会 会報Vol.16」