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就職・キャリア

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看護学部 看護師 聖隷グループ


聖隷三方原病院 看護部
がん看護専門看護師

大木純子 

聖隷クリストファー看護大学 看護学部 看護学科卒業
聖隷クリストファー大学大学院 博士前期(修士)課程
看護学研究科 成人看護学領域修了

 私が看護師になり30年程経過しました。現在がん看護専門看護師として、聖隷三方原病院 看護相談室(がん相談支援センター)で勤務し11年目を迎えています。

 私は、看護専門学校を卒業し大学病院で働いていました。医療処置を在宅でも継続して行う必要があるがん患者の関わりを通して、在宅看護・訪問看護の知識・技術を深めたいと思い、聖隷クリストファー看護大学の進学を決めました。大学卒業後は、聖隷三方原病院で訪問看護も担っていた訪問・看護相談室(現在の看護相談室)で働きたかったのですが、ペーパードライバーで希望できませんでした。
 ホスピス病棟に就職し、看護の基本である日常生活への支援、患者・家族が望む生活を考えて看護実践することを学ぶ機会となり、その経験は、訪問・看護相談室に異動してからの在宅ホスピスケア、訪問看護、および退院支援・在宅療養環境の調整を行う上での基盤となりました。そんなとき、総看護部長より、聖隷クリストファー大学大学院にがん看護専門看護師コースができることを聞き、進学を勧められました。自分に何ができるかは未知ではありましたが、キャリアアップを目指し、大学院進学を決めました。

 大学院では、がん看護に関する知識を得るとともに、専門看護師としての役割、姿勢も学ぶ機会になりました。講義を受けるだけのカリキュラムではなく、院生同士でディスカッションを行うことも多くあり、自分の意見を言うこと・他者の意見を聞くことのバランスの大切さを学び、自分にはない考えを知ることで視野を広げることができました。自分で資料を集め、調べたことを整理しプレゼンテーションすることも多くあり、『システマチックに考えること』を何度も指導されたことを思い出します。

 これら大学院での学びは、看護実践、病院内外での現任者等に対する『教育』に活かすことができています。特に看護理論(危機理論等)を用いてがん告知後の患者・家族の支援を行い、患者・家族の辛さが軽減でき、納得して治療ができるように関わっています。
 現在がん治療は、外来で多く行われ、入院期間も短縮されています。そのため、在宅療養中の患者・家族の苦痛が少なく継続して治療ができるように、治療に伴う副作用への対応や症状コントロールを行うことがとても重要です。しかし、対象者の状況により支援方法は異なり、病状だけではなく、ニーズに応じた支援がとても大切になります。私1人での対応には限界があるため、院内外の関係者と協働しながら対応しています。

 これからも、自分の役割を果たし、患者・家族の苦痛を緩和し、ニーズを満たす支援ができるように努力していきたいと思います。
出典:2020年4月発行「広報誌クリストファーVol.11」

聖隷三方原病院
聖隷おおぞら療育センター
小児看護専門看護師

池田 麻左子 

聖隷クリストファー大学大学院 博士前期(修士)課程
看護学研究科 小児看護学領域修了

 看護学校を卒業し、看護師の資格を取得し30年ほどが経過しました。現在、小児看護専門看護師(CNS ;Certified Nurse Specialist)として聖隷三方原病院 聖隷おおぞら療育センターに勤務し4年目を迎えています。

 看護学生時代、新生児や妊産婦に関わることに楽しさを感じました。当時の聖隷学園浜松衛生短期大学の担任の先生から「本当に助産師をやりたければあなたは帰ってくる」との言葉を支えに臨床経験3年で、母校の専攻科助産学特別専攻の道に進みました。今思えば、この頃から小児看護への関心は始まっていたのかもしれません。卒業から3年間の看護師経験は、“人として”目の前にいる子ども達や家族に関わることの大切さを教えてくれました。
 自身の妊娠・出産の経験を経て、3交代勤務に復帰した職場はNICUでした。NICUでは、生死に直結した低出生体重児への看護の中で看取りも経験しました。看護師20年目の頃、小児病棟への異動の話がきました。この頃の私は、自身の子育てをしているにも関わらずとにかく子どもが苦手でした。小児看護CNSとなった今では笑い話かもしれませんが、当時は異動の辞令に戸惑いました。異動当初の病棟では、小児看護の経験がある先輩や後輩の実践を見よう見真似することで精一杯だったのを思い出します。

 小児看護に携わるようになり10年余りが経過した現在、重症心身障がい児の療育に関わっています。福祉と医療の施設機能を担う職場においては、急性期病院では実践できない看護をしています。特に長期間施設で生活している子ども達との出会いは、子どもの家族が決断せざるを得なかった様々な選択や背景を知るとともに、今を生きている子どもの人生や存在価値を感じています。
 重症心身障がいがある子ども達は、他者に意思を伝える力が十分に備わっていません。時に倫理的視点を意識した関わりが必要となります。子ども達に関わる他者が、その思いをどのように理解し看護師として何ができるのかを探求し続けることが求められます。そして看護師であるだけではなく“ひとりの人として子どもと家族に向き合う姿勢”が重要だと実感します。

 小児看護CNSの資格を取得し今年で5年目を迎えました。高度専門職としての実践を目指し、より専門性が高い小児看護を担う一人として職場を中心に地域における小児看護CNSとして看護実践をしていきます。
出典:2018年9月発行「広報誌クリストファーVol.9」

社会福祉法人 聖隷福祉事業団
聖隷三方原病院 看護管理室次長
看護師

松下君代 

聖隷クリストファー大学大学院 修士課程
看護学研究科 地域看護学分野修了

 私が看護師になり20年以上が経ちました。将来は地域医療に携わりたいと思いながら、急性期病院の看護師としてキャリアをスタートさせました。救急領域から内科系へ5つの職場を経験し、現在は看護管理室で働いています。
 私が大学院への進学を考えるようになったのは、次のステップを考え始めた看護師4年目の頃でした。当時CCUで勤務しており、医師から看護師の記録はさっぱりわからないと言われ衝撃を受けました。看護診断も取り組み始めた頃で、看護をどのような言葉を使えば他職種に伝えられるか、どのように可視化できるのかなどを考えるようになり、看護をもっと学問的に学びたいと思ったのがきっかけです。

 大学院ではいずれ携わりたいと思っていた分野である地域看護学を専攻しました。研究テーマは、心筋梗塞患者が発症してから退院後2ヶ月の中での自己管理に取り組む過程を明らかにすることでした。当時はインタビューの練習を徹底的に行いました。これまでの臨床経験からくる偏った見方を外すことに1年かかりました。
 一方、5年間臨床を経験してからの学びは、入院中の患者さんや地域で暮らす人たちの生活を想像しながら、たくさんの本や文献を読み、先生や院生同士多くのディスカッションをし、生み出す過程はとても苦しいものがありましたが、充実した2年間でした。

 修了後は訪問看護師を考えていましたが、急性期病院の中からの自宅復帰への支援が大切なのではないかと考え、聖隷三方原病院に再就職しました。臨床では、看護データベース聴取時や日常的な関わりの中で相手の言葉の意味をよく考えるようになりました。心疾患や糖尿病患者の自己管理への関わり、電子カルテ看護支援システムの整備、クリティカルパスの整備、看護の質評価など、大学院での学びは臨床でさまざまに活用できています。現在は、地域包括ケアシステムの中での看看連携や地域から望まれる急性期病院看護師の役割拡大について取り組んでいます。

 私は「患者さんは地域で暮らす生活者であること」を忘れず看護することを大切にしてきました。急性期病院では基本的な看護技術だけでなく、高度医療に必要な専門的な知識や技術が求められ、常に学び、技を磨く必要があります。また、急性期を乗り越えた患者さんが再び地域で暮らすために必要な支援を早期から始めることが大変重要です。これからも、看護専門職として学び続け、地域から求められる看護師の役割が果たせるよう尽力していきたいと思っています。
出典:2018年9月発行「広報誌クリストファーVol.9」

聖隷三方原病院看護部課長
緩和ケアチーム専従

佐久間 由美 

聖隷学園浜松衛生短期大学 第一衛生看護学科卒業
聖隷クリストファー大学大学院 修士課程看護学研究科
成人看護学分野(がん看護)修了

 短期大学を卒業後、消化器外科と呼吸器外科の混合病棟に配属となり7年間勤務しがん患者さんと向き合う機会が多い中で、自分では意識していませんでしたが自然にがん看護に興味を持つようになっていました。私の働く姿を見た上司からホスピスへの異動を勧められました。
 いざ配属されホスピスの現場で働いてみると、経験のある看護師は医師と論理的にケアのあり方を検討し、患者様や家族に提供していました。私の実施するケアも患者様や家族には受け入れてもらえましたが、直感と経験を頼りにアセスメントし、実践している自分に、いつも自信がもてず、がん患者さんのケアをしていると誇りを持って語れない自分がいました。

 そんな時、大学院にがん看護のコースが出来ました。推薦してくださる先輩方の後押しに助けられ受験することを決めました。入学してからは、与えられる課題に必死に取り組む毎日でしたが、調べた内容を一緒に学んでいる仲間たちとディスカッションを重ね、理解していく過程を繰り返すうちに、疲労以上の充実感が持てるようになりました。
 短期大学のときとは違い、臨床に出てからの学びであるため、実践の中で知りたいと思っていたことが分かったり、患者様や家族の状態を構造的に理解できたと思える瞬間は本当に嬉しくて、学ぶことが楽しくなっていきました。この苦しいけれど充実した時間を一緒に過ごした大学院の仲間たちとは、今でも付き合いが続いていますし、組織が違っていても臨床で困った場面では互いに相談し助け合う仲間になっています。

 現在私はがん診療連携拠点病院で、看護課長として勤務しています。大学院で学び、がん看護専門看護師の資格を持ったことから、総合病院の中でがん患者様の治療を集約して担う腫瘍センターの立ち上げを任されました。これは、化学療法や放射線療法、在宅支援、症状緩和などがんの病期も治療も様々な患者様のケアのあり方を医師や認定看護師たちと一緒に検討し形にして行く作業でした。本当に大変でしたが、身につけた知識があったからこそ、信頼を受け形にすることができたと思っています。
 現在は緩和ケアチームの専従看護師として患者様やご家族が辛いと感じたら「助けてくれる医療者がいる」と感じられ安心して治療を受けられる体制作りを目指し頑張っているところです。
出典:2015年4月発行「広報誌クリストファーVol.2」

聖隷浜松病院 患者支援センター
総合看護相談

加藤智子 

聖隷学園浜松衛生短期大学 第一衛生看護学科卒業
聖隷学園浜松衛生短期大学 専攻科助産学特別専攻修了
愛知県立大学大学院 看護学研究科
小児看護学専攻 家族看護CNSコース修了

 私は、聖隷学園浜松衛生短期大学助産学特別専攻科13期生です。卒業後は、助産師としてNICU、GCU、産科病棟などの周産期の領域で勤務しました。その過程で、障がいを抱える子どもの家族や多様な家族に出会うことで、このような困難な事例に対してどのように看護を実践することが、患者・ご家族にとって最善の看護を提供できるのか疑問を抱き始めました。

 そんな時に、家族看護学への関心を持ったことで、大学院への進学を決意し、今まで出会うことがなかった学問や書籍に出会い、新たな気づきを発見することができました。大学院では、家族看護専門看護師コースを専攻し、今までの経験を知識と結びつけることができ、学生生活の毎日が新鮮に感じました。自らの知識不足を実感し、図書館で多くの本を読んだことが思い出です。
 しかし、学びを深めていくと、専門看護師になるための実習が始まりました。臨床で起こる現象を学問と結びつけ、問題を起こしている状況を概念化していく作業に困難を要しました。理由は患者・家族に寄り添うあまり、自分自身も巻き込まれてしまっていることに気づかず、問題の本質を見出すことができないことを経験したからです。そして、困難な事例を担当しているときに、起きている現象を臨床の看護師や医師に言語化して伝える難しさを感じ、言語化・可視化をするトレーニングとなり、よい経験をすることができました。
 また、修士論文に取り組むことによって、臨床で感じていた疑問を言語化し、それがきっかけとなり、臨床で活用できる方法にできないか考えられるようになりました。自身の経験を同僚や多職種の方と共有することで、一つひとつ看護が蓄積され、最善の方法を見出す一つになると考えるようになったと思います。

 現在、聖隷浜松病院の患者支援センターで、総合看護相談を担当しています。現代の社会は多様化しているため、患者・家族も多様な背景をお持ちになられています。そして、各々の価値観もさまざまです。そして、入院期間の短縮化や高度医療が進む中で、多くの悩み事や困り事を抱え相談に来られるご家族に出会います。このような時、しっかりご家族と向き合い、ご家族にとっての幸せを考えて対応するように心がけています。時には大学院での学びを振り返りながら、多様な介入方法を心がけ、ご家族が一歩ずつでも前を向けるような支援をしていきたいと思います。まだまだ、仕事に復帰して間もない状況ですが、頑張っていきたいと思います。
出典:2016年9月発行「広報誌クリストファーVol.5」

聖隷浜松病院
看護次長・認定看護管理者(助産師)
本学臨床准教授

森本俊子 

聖隷学園浜松衛生短期大学第一衛生看護学科卒業
専攻科助産学特別専攻修了
看護学研究科博士前期課程在籍

 私は、聖隷学園浜松衛生短期大学助産学特別専攻科の第4期生です。現在は、聖隷浜松病院の看護次長として看護管理に携り、総合周産期母子医療センター・救命救急センターを担当しています。そこでは、約90名の助産師(アルバイト助産師を含む)達を人材育成し、組織を運営していく役割を持っています。同時に、聖隷クリストファー大学大学院博士前期課程での研究に取り組んでいる真っ最中です。

 大学院(ウィメンズヘルス看護学)の進学を志したきっかけは、専門職として自己研鑽の必要性を感じたことや、地域での子育て支援のための基盤となる考え方を学びたいとの思いからです。大学院では、若い学生さんとの意見交換が新鮮な刺激となり、社会や医療界の情勢から助産師に求められる役割やより良い母子看護を提供する助産師のあり方を考え、看護実践するための学びを深めています。

 そして、「やっぱり学び続けなければ」という思いは、当院が医療の質を保証するために2015年秋に『JCI施設認定』の更新を目指していることや、看護の質の向上と魅力ある病院作りを目標に看護部での『マグネット施設認定』を目指す取り組みの中で、更に強くなっており、今の自分を支えているひとつとなっています。

 約30年前に私が助産師としての道を歩みだすために受けた教育は、今や助産師養成校の過半数を占める1年課程の大学専攻科や2年課程の大学院修士課程となってきています。助産師達が受けてきた専門職としての学修を更に臨床現場で積み重ね、ひとりひとりがその人らしくキャリアを積んでいくためにも、私自身が大学院で学ぶ事の意義を日々の職員とのかかわりの中で感じています。そして、研究での妊婦さんとのかかわりが私の助産師としてのやりがいに繋がっています。

 仕事と大学院の両立は、指導教員のご支援と学友との励まし合い、職場の同僚や家族の理解と協力があってこそ出来ています。周囲の人々に支えられて学べていることに常に感謝しつつ、学修を現場に生かすことを目標に、辛くとも楽しく二足のわらじを履き、何とか修士論文を完成させて、私の志を成し遂げ、修了式を迎える日を夢に見て、頑張っています。
出典:2014年9月発行「広報誌クリストファーVol.1」

聖隷浜松病院
看護課長
認定看護管理者

岡田智子 

聖隷クリストファー大学大学院 看護学研究科
看護学専攻博士前期課程
環境支援看護学分野修了

 私は聖隷浜松病院に就職して20数年、看護課長になり9年が経過しようとしています。がん領域内科系病棟に所属していた期間が長く、現在もがん領域内科系病棟の看護課長として、病棟管理・人材育成に取り組んでいます。

 私が大学院で看護管理を学ぶきっかけになったのは、看護課長となり3年経過した頃にあります。当時管理していた病棟において、人員不足や業務の繁忙により、患者に寄り添った看護ができないというマイナス感情を抱くスタッフが多くなっている現状を何とかしたいと思いながらも、私自身も日々多くの役割を遂行しながら目前の対応に追われ、何もできない自分に直面していました。そのような時に、当時の看護部長から「大学院に行ってみたら?元気にしてくれるよ。」と突然思いもよらない声かけを頂きました。

 気持ち的にも少し弱っていた私に「元気にしてくれる」の一言が何よりも響き、さらに認定看護管理者教育課程ファーストレベルでのご講義が印象的であった、鶴田惠子教授に御指導いただけることが決め手となりました。大学院での3年間は病棟管理との両立で、今思えばよく乗り越えられたなと思います。所属施設は違っても同じ看護管理者である仲間に恵まれ、楽しくも緊張感のあるゼミで共に学んだことは私の財産になっています。大変な3年間ではありましたが、大学院という職場から離れた環境があることで、病棟でのめまぐるしい出来事を客観的に捉えられることができ、自分が少しずつ“元気”になる感覚が得られました。

 大学院を修了し3年経過しましたが、2020年から今まで経験したことのない新型コロナウイルス感染症の拡大により、看護体制変更など、看護部組織としても大きな変更や緊急対応を余儀なくされる状況が続いています。以前にも増して業務繁忙となり、病棟スタッフは必死で仕事をする毎日で辛く感じるスタッフもいます。そのような中でも、私自身がスタッフのマイナス感情に飲み込まれることなく、起きている事象を俯瞰して見られるようになったことは大学院での学びが活かされているのだと感じています。

 病棟スタッフはみんな「大変」「何もできていない」と言いながらも心温まる素敵な看護実践をしている看護師たちであり、職場長である私が感動してしまうくらいです。状況に合わせて変化させることは必要なことではありますが、自分たちの病棟にとって大切なことは何かを見極め、スタッフが実践している看護にやりがいや達成感を感じられることが大切だと考えます。その環境を整えることが私の役割として、私自身も看護管理を楽しみながら実践したいと思います。
出典:2023年9月発行「広報誌クリストファーVol.14」

浜松市リハビリテーション病院

倉本直樹 

聖隷クリストファー大学 看護学部卒業
聖隷クリストファー大学大学院 看護学研究科
博士前期課程 基礎看護学領域修了

 私は、聖隷クリストファー大学看護学部を卒業後、聖隷佐倉市民病院で病棟看護師として5年間勤務したのちに、聖隷クリストファー大学大学院看護学研究科博士前期課程に入学し、基礎看護学を専攻しました。昨年度に大学院を修了し、現在は浜松市リハビリテーション病院の病棟看護師として勤務しています。私が大学院へ進学したきっかけは、学部時代に看護研究ゼミを履修したことでした。
 当時の私は、看護と研究にどんな関係があるのかまったくわかりませんでした。しかし、ゼミ内での教授や大学院生との議論と通して、教科書に書いてあることが全てではないこと、看護における研究の存在を知りました。また、教授や大学院生の行っている研究を見学できたことは、実際の研究活動を知る機会になり、とても大きな刺激でした。

 大学卒業後、事例研究や院内学会に参加させていただきました。しかし、研究を上手く進めることができず、勉強不足を痛感しました。また、自分にとって、看護とは何か、何が看護であるのか、悩むことがありました。そんなときに、大学院生だった先生や恩師を訪ね、大学院への進学を決めました。

 大学院では看護理論などの他に、研究に関する勉強が非常に重要でした。研究では、与えられた課題ではなく、自身で課題を見つけ出し、取り組んでいくことが必要になってきます。研究に関する勉強には、授業以上の時間を費やすことが必要でした。修士論文は、静脈穿刺に関わる看護技術についての研究を行いました。
 データ収集では、多くの病院の看護師と患者の皆様にご協力をいただき、フィールドワークを行いました。複数の病院で多くの看護実践を見学できたことは、大学院生だからできた貴重な経験であったと思います。

 そして私は今、再び病棟看護師として臨床にいます。浜松市リハビリテーション病院は、摂食嚥下に関して力を入れおり、「えんげと声のセンター」の主催で院内認定教育講座「浜リハえんげサポーター養成講座」を行っているため、私も受講し、勉強させていただいています。医師・摂食嚥下認定看護師・セラピストが、摂食嚥下障害患者のリハビリテーション医療を実践するために必要な知識、技術に関する教育を行っています。

 今は、大学院と摂食嚥下の勉強をもとに自分にとっての看護実践を試みています。臨床の看護師が研究の視点を持つことで、より質の高い看護につなげていきたいと考えています。
出典:2015年9月発行「広報誌クリストファーVol.3」