作業を通して広がる、人や暮らし、社会とのつながり

2025年12月10日更新
近年、社会構造の変化により、私たちの暮らしを取り巻く環境は大きく変化しています。その影響で、孤独や孤立といった課題が注目されるようになりました。このような状況の中で、日常生活の中での人とのつながりや、自分らしい活動に参加できることの大切さが、ますます高まっています。
私はこれまで、病気やけがの治療後に自宅や地域社会に復帰するためのリハビリテーションを行う回復期病棟に勤務してきました。その中で、入院生活の中に小さな交流の場を作り、作業を通してその人らしさを引き出す関わりを意識してきました。たとえば、小集団での交流や音楽、化粧、料理などの活動を通して、互いに笑い合ったり励まし合ったりする空間がうまれ、少しずつ自分らしさや前向きな気持ちを取り戻していくような様子を目にしてきました。そのような経験から、作業療法は身体機能の回復や日常生活への復帰だけでなく、人や暮らし、社会とのつながりを支える関わりが重要だと感じています。
現在は大学教員として、回復期病棟から退院後の社会参加につなぐ作業療法の支援の在り方を研究しています。近年では、イギリスで始まった「社会的処方」という仕組みが注目されつつあります。「社会的処方」とは地域社会の活動や人につなげることで生活を支援し、健康増進や生活の質(QOL)・ウェルビーイングの向上を目指す取り組みです。地域での暮らしに向けて、回復期病棟では退院後の生活をどのように支えられるか、多職種でどのように連携できるかを「社会的処方」の視点から整理し、人と社会をつなぐ仕組みづくりに関わりたいと考えています。学生には、「その人がどんな人生を歩んできたか」に目を向けて支援できるよう、一緒に学びを深めていきたいと思います。
作業療法は、病気だけでなく、人の暮らしや物語を大切にする仕事です。これからも研究と教育の両面から、人が自分らしく暮らしていける社会づくりに貢献していきたいと思います。
私はこれまで、病気やけがの治療後に自宅や地域社会に復帰するためのリハビリテーションを行う回復期病棟に勤務してきました。その中で、入院生活の中に小さな交流の場を作り、作業を通してその人らしさを引き出す関わりを意識してきました。たとえば、小集団での交流や音楽、化粧、料理などの活動を通して、互いに笑い合ったり励まし合ったりする空間がうまれ、少しずつ自分らしさや前向きな気持ちを取り戻していくような様子を目にしてきました。そのような経験から、作業療法は身体機能の回復や日常生活への復帰だけでなく、人や暮らし、社会とのつながりを支える関わりが重要だと感じています。
現在は大学教員として、回復期病棟から退院後の社会参加につなぐ作業療法の支援の在り方を研究しています。近年では、イギリスで始まった「社会的処方」という仕組みが注目されつつあります。「社会的処方」とは地域社会の活動や人につなげることで生活を支援し、健康増進や生活の質(QOL)・ウェルビーイングの向上を目指す取り組みです。地域での暮らしに向けて、回復期病棟では退院後の生活をどのように支えられるか、多職種でどのように連携できるかを「社会的処方」の視点から整理し、人と社会をつなぐ仕組みづくりに関わりたいと考えています。学生には、「その人がどんな人生を歩んできたか」に目を向けて支援できるよう、一緒に学びを深めていきたいと思います。
作業療法は、病気だけでなく、人の暮らしや物語を大切にする仕事です。これからも研究と教育の両面から、人が自分らしく暮らしていける社会づくりに貢献していきたいと思います。
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