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教員リレーエッセイ

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強い意志だけで健康になるのは難しい


2025年9月10日更新
 あなたは今、健康ですか?健康のために頑張っていることはありますか?
 私は「健康心理学」を専門としています。健康心理学とは、人々の健康のために心理学的な理論や方法を使ってアプローチする学問です。
 規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動…大切だと分かっていても、続けるのは難しいものです。健康診断で注意を受けて「運動しよう!」と決意しても、数日後には、「今日は忙しいから…疲れているから…」と三日坊主で終わってしまうことはよくあります。
 では、三日坊主になるのは「意志が弱いから」なのでしょうか。健康心理学の研究では、人が行動を変え、それを続けるためには意志の力だけでは足りないことが分かっています。例えば、病気に対する危機感が強い人は、行動を変えなければという気持ちになりやすいです。それだけでなく、「運動すれば検査結果が良くなるし病気にならないんだ!」というポジティブな気持ちや、「家族や友人のために頑張って運動して病気にならないようにしよう」という周りの人の期待に応えたいという気持ちがあると、運動を続けやすくなります。
 また、「このくらいの運動ならできる!」という自信(セルフエフィカシー)も大切です。今まで運動をしたことがない人が、明日から1日30分ジョギングをするのは大変なことです。でも、まずは1日1回は階段を使うところから始めようとすれば、自分でもできるという自信が湧いてくるかもしれません。
 現在では、歩数を管理してくれるアプリや、AIの技術を使って自分に合った健康行動を教えてくれるサービスなど、行動を後押ししてくれるツールがたくさんあります。「自分は意志が弱いから…」とあきらめる前に、ちょっとした工夫を取り入れて健康で生き生きとした毎日を目指してみませんか?