“食事療法を続けられないって!”それ普通です。
2025年6月10日更新
「食事療法を続けられなくて、自分はなんて意思が弱い、だめな人間なんだろう」とおっしゃっている糖尿病の患者さん、多いですよね。でも、それって普通です。「意思さえ強ければ、人に頼らず自力でずっと食事療法が続けられる」40年前、看護師であった河口もそう思っていました。
河口は、慢性看護学、具体的には慢性疾患患者さんへの患者教育をテーマに、看護師による良質なケア・関わりに関する研究と実践活動を続けていますが、きっかけは患者教育の失敗体験でした。当時は慢性疾患が急激に増加していた時代でしたが、患者教育は病棟でも外来でもほとんどなされていませんでした。そこで一発奮起、看護師による患者教育のシステムを作り、多くの看護師と医師の協力を得て内科で患者教育を実施しました。システムは順調に機能し、患者教育・指導件数は増えました。しかし、入退院を繰り返すような患者さんは、一生懸命、患者指導しても「行動変容しない患者さんがほとんど」でした。予想外で期待外れの結果でした。
患者さんには糖尿病の治療や検査、食事療法や運動療法の方法をしっかり教えました。パンフレットや資料も渡しました。患者さんは理解力があり、食事療法は必要で重要だと回答していました。しっかり食事方法をしなくてはいけないとも言っていました。それなのに、なぜ患者さんは食事療法をしないのか、あんなにがんばると言っていたのに、知識も技術も能力も十分なのに、わからない・・・。
なぜかを知りたくて、大学院に入学し、調査をしました。その結果、糖尿病と診断された患者さんはすぐに食事療法を実行していました(93%)。食べたい気持ちをこらえながら1か月ほどは、本当にがんばりました。でも、3か月で食べる量が増え、6か月で半数ほどが、1年では8割が(食事療法効果がないほど)元に戻りました。
つまり、食行動など日常生活習慣を変え、それを続けることができるのはごく少数、意思の力だけでできるものではないのです。できないのが普通で、患者さんの意欲のせいにするのは間違っているのです。この結果は、その後の河口の活動方向を決めることになりました。患者さんのせいにしない効果的な実践・関わりを目指して、研究・実践活動を続けています。
河口は、慢性看護学、具体的には慢性疾患患者さんへの患者教育をテーマに、看護師による良質なケア・関わりに関する研究と実践活動を続けていますが、きっかけは患者教育の失敗体験でした。当時は慢性疾患が急激に増加していた時代でしたが、患者教育は病棟でも外来でもほとんどなされていませんでした。そこで一発奮起、看護師による患者教育のシステムを作り、多くの看護師と医師の協力を得て内科で患者教育を実施しました。システムは順調に機能し、患者教育・指導件数は増えました。しかし、入退院を繰り返すような患者さんは、一生懸命、患者指導しても「行動変容しない患者さんがほとんど」でした。予想外で期待外れの結果でした。
患者さんには糖尿病の治療や検査、食事療法や運動療法の方法をしっかり教えました。パンフレットや資料も渡しました。患者さんは理解力があり、食事療法は必要で重要だと回答していました。しっかり食事方法をしなくてはいけないとも言っていました。それなのに、なぜ患者さんは食事療法をしないのか、あんなにがんばると言っていたのに、知識も技術も能力も十分なのに、わからない・・・。
なぜかを知りたくて、大学院に入学し、調査をしました。その結果、糖尿病と診断された患者さんはすぐに食事療法を実行していました(93%)。食べたい気持ちをこらえながら1か月ほどは、本当にがんばりました。でも、3か月で食べる量が増え、6か月で半数ほどが、1年では8割が(食事療法効果がないほど)元に戻りました。
つまり、食行動など日常生活習慣を変え、それを続けることができるのはごく少数、意思の力だけでできるものではないのです。できないのが普通で、患者さんの意欲のせいにするのは間違っているのです。この結果は、その後の河口の活動方向を決めることになりました。患者さんのせいにしない効果的な実践・関わりを目指して、研究・実践活動を続けています。
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