グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


教員リレーエッセイ

ホーム >  教員リレーエッセイ >  認知症になってもひとり暮らしを続けていけるために

認知症になってもひとり暮らしを続けていけるために


2023年12月10日更新
 私は、「ひとり暮らしの認知症高齢者の在宅生活支援」をテーマとして、研究に取り組んでいます。わが国では、認知症高齢者の人数の増加と共に、ひとりで暮らす認知症高齢者の人数も、毎年、増加の一途を辿っています。多くの方は、離れて暮らすご家族や地域の方々の見守りや支援の中で暮らしていらっしゃいますが、それでも、食生活の乱れや服薬管理の不備等により、体調を崩したり、生活が困難になる方がいるのが現状です。また、ひとりで元気に暮らしていても、徐々に認知機能が低下し、誰にも気づかれないまま認知症になる方もいらっしゃいます。そのため、地域では、認知症の発症予防から、認知症になった人の早期の発見と治療、そして認知症の進行予防といった、認知症のさまざまな段階での支援が必要になります。その支援のためには、高齢者の生活状況と認知機能の関係をよく理解し、認知症の発症や進行が予防できるように、生活を整えていく必要があります。
 看護師は、人の病気の治癒を援助すると共に、健康状態を維持・増進するための生活を整えていく専門職です。その、「病気の治癒」と「生活支援」の両方の専門性を持つ看護師が、認知症高齢者の在宅生活支援に関わる意義は、とても大きいと思います。ひとり暮らしの認知症高齢者には、保健・医療・福祉のさまざまな専門職が連携を取って支援をしていきます。また、自治会や近隣住民といった、地域の方々も支援に協力してくださいます。私は、その多くの支援者の中で、看護師はキーパーソン(連携の中心)になる存在であると思っています。そして、ひとり暮らしの認知症高齢者の在宅生活の継続のために、看護師がどのように役割を発揮し、どのように他の専門職や地域の方々と連携をとっていけばよいかを明らかにし、ひとり暮らしの認知症高齢者が生活しやすい地域づくりにおける看護師の在り方を考えていきたいと思います。