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教員リレーエッセイ

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がんと共に生きる人々を支える「がん看護」


2022年3月10日更新
2018年の国立がんセンターのがん最新統計によると、日本人が一生のうちに「がん」と診断される確率は、男性が65.0%・女性が50.2%と2人に一人であることが報告されています。これは「がん」が我々にとって大変身近な病気であること、社会には「がん」と共に生きる多くの方々がいらっしゃることを意味します。

近年は、がんの診断や治療技術が進歩したことで治るがんも多く、人々のがんに対するイメージは以前のような暗いものばかりではなくなってきました。しかし、内閣府が約3000人の国民に対し行った『がん対策に関する世論調査』(2016年)によると、がんを「怖いと思う」人は72.3%、その理由として「痛みなどの症状が出る場合がある」50.0%、「死に至る場合がある」72.1%、「家族や親しい友人などに負担をかける場合がある」55.2%、など、まだ多くの人々が「がん」に脅威を感じ、負のイメージを抱いていることが伺われます。また、この結果は、人々が「がん」と共に生きるために、身体的なケアだけでなく、心のケアや、社会で自律して生きていくためのケアを必要としていることを示すと考えます。

聖隷クリストファー大学看護学研究科博士前期課程には、がん看護学領域・高度実践看護コースが設けられています。現在、私はそのコースの教育に携わる機会を頂き、臨床や教育の現場で活躍する専門職の方々と一緒に、患者さんの心のケア、治療選択の際の意思決定支援、治療に伴い出現する症状のマネジメントの支援、社会参加を促すための支援など、がんと共に生きる人々を支える「がん看護」を探求しています。コロナ禍であっても歩みを止めない専門職の皆様に改めて敬意を表するとともに、私も一研究者としてがんと共に生きる多くの方々を支えることができるよう、行動を起こすことを決意し、新年度をスタートさせます。