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教員リレーエッセイ

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車いすからみえてくる海外の文化


2022年2月18日更新

この写真の車いす、日本でよく目にする車いすと何が違うか分かりますか。

よく見ると、自転車のチェーンのようなものが前方についていて、このチェーンを手でこいで回すような造りになっていますね。実はこの写真、ケニア人の友人がケニアの首都ナイロビで撮ったものです。

では、どうして国によって車いすの造りが違うのでしょうか。ヒントは道です。

日本で生活していると、歩道はコンクリートで舗装されているのが当たり前。多少の凸凹でガタガタと揺れることはあっても、車いすがすぐに壊れることはありません。しかしケニアでは、もちろん舗装された道もありますが、砂利道や土道もいまだ多く、日本でよく見かける車いすだとガタガタ揺れて壊れやすいのです。また、大雨によって土道の中に大きな水溜まりができると、ぬかるんで車いすが進めなくなってしまいます。そのため、その土地にあった車いすが作られ、人々の生活の中で使用されています。

つまり、私たちの生活様式は、日本の文化や環境の影響を大きく受けています。しかし、日本で生活していると、私たちの「当たり前」はなかなか見えてきません。海外での体験や人々との交流を通じて、自分の中にある「当たり前」の固定観念に気づくことができるのです。私たちにとっての「当たり前」をいったん取り払い、まっさらな目で世界の保健医療福祉を見てみませんか。きっと、新しい発見や出会いが皆さんを待っています。