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教員リレーエッセイ

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回復を支援するということ


2021年10月25日更新
COVID⁻19拡大状況下の最前線におられる医療従事者はじめ、エッセンシャルワーカーの方々に敬意を表したいと思います。
すべての人々が、一日でも早く心穏やかに過ごせる日常が戻ることを願うばかりです。

さて、私の研究課題は、エンドオブライフケアです。研究の出発点となる体験は、大学時代の看護学実習に遡ります。糖尿病の合併症や難病等の病気が進行した方々を受け持たせていただく中で、身体的な回復が見込めない時期を生きる人々への看護に関心を持ちました。大学卒業後は、症状が悪化・進行した人々への看護を極めたいという思いもあり、がん専門病院で臨床経験を積みました。回復を願い、がん治療に臨みながらも、終焉を迎えていく方々に対峙したときの記憶は今でも脳裏に焼き付いています。
近代看護の創設者であるNightingale, Fは、『Notes on Nursing(看護覚え書)』において、「病気とは回復過程である」と説きました。回復と聞いて、どのようなイメージを抱くでしょうか。身体的回復、機能的回復を思い浮かべる方が多いかもしれません。では、病状が不可逆的に進行している人や、人生の最終段階を生きる人々の回復とはなんでしょうか。
身体的な回復が見込めない状況にあっても、病気と共に生きる過程において回復は存在するという前提に立ち、人々を捉え、人々が生活文化を営む世界に身を置くことで、日常に潜む可能性、つまりその人らしさを見出していくことができると私は考えています。それを対象となる人々との関係性において見出していけるのが看護の専門性でもあると考えています。
COVID-19によって、看護学研究も大きな影響を受けていますが、未来に、人々や看護職にとって役立つケア開発を継続するために、領域を越えた繋がりを強化しながら、この難局を乗り越えていかなければならないと考えています。