グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


教員リレーエッセイ

ホーム >  教員リレーエッセイ >  「人の幸せ」の向上を支援する作業療法

「人の幸せ」の向上を支援する作業療法


2021年10月10日更新
皆さんは作業療法と聞いて、どのようなリハビリテーションを思い浮かべるでしょうか?はじめに、下記のコードから作業療法を知っていただければ幸いです。

【オーティくんと学ぶ作業療法見学ツアー】

いかがでしたでしょうか?皆さんの思っているリハビリテーションのイメージとは少し違うのではないでしょうか?もちろん、病気や怪我などによって身の回りのことができなくなってしまったときに、できるように支援することも、作業療法の大切な仕事です。
しかしながら、私が作業療法の仕事の中で最も大切だと思っているのが、対象となる方の「できるようになりたいこと」、「できる必要があること」、「できるようになることが望まれていること」を支援することだと考えます。つまり、身の回りのことが完全にできるようになっても、例えば、皆さんのやりたいこと(料理、スポーツ、旅行、友人との交流など)ができなければ、生活がつまらないものになってしまうと思います。私たちの研究でも、リハビリテーション病院で十分なリハビリテーションを実施し、身の回りの動作(ADLと言います)が自立(最高得点)しても、生活の質(QOLと言います)が低い方が多いことが分かりました。このQOLの向上(幸せの向上と言っても良いと思います)に貢献できるのが作業療法だと考えています。現状のリハビリテーション医療分野では、まだまだ、ADLの自立が目標となっており、「全人間的復権」が目的であるリハビリテーションの理念とはズレがあるように思います。
現在は全国の病院施設の方々とQOLに関する研究を行っており、対象者の方々のQOLの状況やQOLが向上するためにはどうしたら良いのかを調査しています。近い未来にリハビリテーションの効果判定にQOLの測定が必須となるように研究結果を示していきたいと思います。