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本学学生の投稿が静岡新聞に掲載されました。


 5月下旬から7月上旬にかけて、静岡新聞朝刊の読者のページ「ひろば」に、本学学生の投稿が6件、掲載されました。

 本学学生が多数、投稿するようになった背景には、社会福祉学部こども教育福祉学科の福重浩之准教授による指導があります。投稿は福重准教授が行う本学の教育改革を推進する活動の一環であり、「コトバつむぎ」と名付けられています。新聞投稿を主としていますが、「2021年度国際ユース作文コンテスト」といった作文コンテストにも応募しました。

 共通科目「日本語表現法」を担当している福重准教授によると、本学学生も「書くこと」を苦手とする傾向がみられ、要因は「書くこと」を恐れているからとのこと。「書くこと」を楽しむことでそんな意識を払しょくしてほしい、との思いから、「コトバつむぎ」の活動が始まりました。

障害者の“壁”を解消したい[5月26日(水)26面掲載]

松井 明由奈さん

 私には明るく、心優しい自慢の友人がいる。人とは違うというのであれば、その友人は足が不自由だということである。私自身は、不自由なく生活を送ることができる人間であり、そんな人間から見れば、友人の足は少し特別だといえるだろう。
 ある日、友人と進路の話になり、私が医療の道へ進むと話した時、こんなことを言われた。「今、障害者のことを障がい者と表記したほうが良いのではと議論されているけど、私からしてみれば足が不自由なことは害でしかない。自由に立って歩けないのは害でしかない。でも、私自身は害ではないから」
 これは友人個人の言葉であって、絶対正しいとは言えないかもしれない。しかし、「しょうがい」を持った方々のために、不自由なく生活できる私たちが、社会に関わる上で立ちはだかる障害を、一つ一つ解消していくことが大切なのではないだろうか。少なくとも、医療の道を志す私自身がこの問題としっかり向き合っていかなければと思っている。

個性的な黒いネイル 美しく[6月2日(水)24面掲載]

松下 愛さん

 私が働く飲食店に20代の男性が来店した。その男性の指にはきれいな黒いネイルが施されていた。そんな姿を見たら普通は、「男性なのにネイルしている」と思うかもしれない。私も見た時は少し驚いてしまった。男性のネイルに驚いたのではなく、黒いネイルの美しさにだ。それからこの男性に似合っているなと素直に思えた。
 他の人と違って、男性のネイルに偏見がなかったからだと思う。それはユーチューブのおかげだ。ユーチューブには化粧が好きな男性や女装する男性など、さまざまな人が登場する。彼らの価値観や生き生きとした姿を見ることができるのだ。少し前の私であれば、他の従業員のように彼らの姿を受け入れられなかっただろう。だが今の私は、彼らがもっと生きやすい社会になってほしいと思っている。
 男なのに、女なのに、性別で縛られるのではなく、一人一人の個性を尊重できるような社会に。黒いネイル、私も挑戦してみようと思っている。

男女平等とは認め合うこと[6月12日(水)27面掲載]

古橋 柚葉さん

 私は男女平等を本当に願っている。男女差別があるのはいいことではない。男女が平等であることで平和にもつながっていくかもしれないと思う。
 一方で疑問に感じることもある。どんなことにおいても男女それぞれに向いているものがあると思う。「男だから」「女だから」というのもおかしいが、すべてのことに男女平等であることが大切で、意味があるのだろうか。平等な世界観をもっと広い視野で見るべきだと考える。それぞれに得意、不得意があるのだからそれを認め合って、補っていくことが本当の意味の男女平等ではないだろうか。全部が全部男女平等である世の中となれば性差を広げてしまうという考えもある。
 認め合い、補い合い、支え合い、進んでいく。お互いがお互いを意識することができているなら、それを男女平等だと言ってもおかしくはないのではないかと思う。思いやる気持ちがあふれる世の中にぜひなってほしいものだ。

20歳 憧れの「大人」になって[6月18日(金)24面掲載]

今坂 仁美さん

 20歳の誕生日を迎えた。早く大人になりたいとずっと思っていた。しかし、20歳になるまではあっという間だった。
 今は、朝早く起きて大学に行き、講義を受け、サークル活動もしながら、時々バイトをする。そんな毎日の繰り返しだ。
 子どもの頃に憧れていた大人って、どんなふうだったのだろう。真っ先に浮かんだのが母の顔である。つらいときもうれしいときもそばで支えてくれた温かい母の様子である。大人になるにつれて、普段の生活のありがたみを忘れていたのではないかとも感じた。
 20歳の誕生日を迎えて、私は大人の仲間になった。いや、「近づいた」が適しているのかもしれない。大人って何だろう。考えても今の私には正しい答えがわからない。大人になるということは自分の責任を負うだけでなく、他者のために行動できることだとは思っている。どんな人とでも支え合い、みんなが幸せだと感じる社会をつくることが大人だと、私は思う。

愛情と責任持って猫飼って[7月1日(木)24面掲載]

林 明香里さん

 私は1匹の猫を飼っている。家の周りにもたくさんの猫。本当にかわいい猫たちだ。
 その時、ふと思った。猫の殺処分。テレビの番組でも取り上げられていたが、処分の理由はさまざまである。殺される側の猫に理由はない。非もない。動物愛護と管理に関する法律の改正によって、全体の件数は減っている。しかし、内訳を見ると猫の殺処分件数はやはり多いのだ。猫の場合、多頭飼育が多いこと、高齢化が理由として挙げられる。
 猫は一度にたくさんの子どもを産む。長生きはうれしいが、医療費もかさんでいく。高齢猫が数頭いれば莫大(ばくだい)な費用がかかってしまう。飼い主の生活を脅かしてしまうのだ。
 車に乗っているときに猫が急に飛び出し、ひきそうになったことがある。捨てられた猫にちがいない。かわいいという理由だけで飼うのもいいが、年をとってからのこともよく考えてほしい。猫は自分の意志だけで生きられないのだ。
 授かった命。愛を最期まで持ち続け、見届けてあげてほしいと強く願う。

早朝の来店は時間に余裕を[7月3日(土)25面掲載]

松下 愛さん

 早朝のコンビニは忙しい。コーヒーメーカーの清掃をしながらのレジ打ちなど、「ながら」の仕事が多いのだ。そのレジ打ちも厄介である。商品の会計だけでなく、宅配の受け取り手続きや公共料金支払いの受け取りもある。
 そして最も難しいのがお客様の対応だ。朝早く来店するお客さまは急いでいる人が多い。駆け足で入店してくる人もいるぐらいだ。そんな姿を見ると私はドキドキしてしまう。お客様を待たせずに、いかにスムーズなレジ打ちができるかが気になるからだ。
 中には、「レジ休止中」と表示したレジに、無言で商品を置く人もいる。慌ててすぐにレジの前に進む。当然とばかりにカードかざし口にカードが置かれる。「お支払いは電子マネーでよろしいですか」。そんなお客さまに限って支払い方法を言わない。「そんなことわかるだろ」と言われているような圧力を感じる。
 早朝のお客さまへ。急いで買い物をすることがないよう、時間に余裕をもって家を出てきてくだされば幸いです。