SCESの教育と学習指導要領/教科書 – 濵大輔先生 –

 

 わたしたちのグループでは、学習指導要領と教科書について扱いました。SCES(Seirei Christopher Elementary School)は学校教育法第1条に基づく学校ですから、当然日本の定めた学習指導要領に基づいて学校運営を行っていくことになります。また、教科書についても法律に定められている通りに用いていきます。しかし、同時にこれらの扱い方を工夫することで、わたしたちはよりよい授業・学びを生み出していくことができるとも考えています。このグループで共有したかった最も大きなメッセージはここにありました。 

 「この中で、学習指導要領を見たことがある方はいますか?」

 尋ねてみると、およそ15名程度の中で2名の方が手を挙げられました。その後、文部科学省が発刊している学習指導要領の冊子をお見せしました。

そのボリュームに驚かれた様子の参加者の方々。また、教科書についても世界的に見れば日本のように検定教科書制度を敷いている国の方が珍しいことをお伝えすると、これまた驚きの声が。

「わたしたちが当たり前と思っていることは、日本の外に出れば実は当たり前ではない。」

この感覚は、SCESの子どもたちにも持っていってもらいたいと考えているので、大人の皆さんとこのようなやり取りができたことは嬉しいことでした。

 

 続いて、日本の小学校における一般的な授業づくりについてご説明。多くの場合、先生方は教科書や学習指導要領を出発点に授業を構想していることをお伝えしました。もちろんSCESでも、このような方法で授業を構想することもするでしょう。しかし、私たちはこれとは異なるアプローチで授業をつくることもできます。そこで、次のように投げかけました。

 「最近、医師の中村哲さんがアフガニスタンで銃殺されたというニュースがありました。皆さんは、なぜ人道支援に関わる人が殺されてしまうのだと考えますか?」

この問いについて、わずかな時間でしたが参加者の皆さん同士で対話をした後、次のようなことを付け加えました。

 「たった今、わたしたちは1つの国語の授業を経験しました。わたしたちの世界にはさまざまな出来事が起きています。子どもたちは日々の生活の中で、たくさんの興味深い経験をしています。教科書に書かれていることは世界の中のごく一部に過ぎません。わたしたちは今まさに起こっている自分や他者や世界のことを、授業に用いることができます。そうした時、わたしたちは学習指導要領に示された目標を達成しつつ、より広く深く、意味のある学びを作ることができるのです。」

 この時、先ほどの対話を学習指導要領の国語の目標と照らし合わせ、この活動が多くの目標を達成し得ることを確かめました。また、国語・外国語(活動)の全学年の目標と教科書を(含んで)越えた活動例との対応表もお見せしました。

 

 教科書については、残念ながら時間がなく全てをお伝えすることができませんでしたが、より意味のある学びを実現するためにこれを用いることができることをお話ししました。

 

 今回ご紹介した活動はほんの一例に過ぎません。授業(学習)に従来と異なるアプローチも用いながら取り組むことは、わたしたちSCESの教員にとっても新しいチャレンジです。しかし、この取り組みがいのある課題に保護者の皆さんや子どもたちと一緒に挑戦できることが、今から楽しみでなりません。

 

 ご参加頂いた皆さま、どうもありがとうございました。

 


 

ご覧いただきありがとうございました!