グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


就職・キャリア

ホーム >  就職・キャリア >  キャリアガイドブック(WEB版) >  看護学部_看護師_スペシャリスト

看護学部_看護師_スペシャリスト



静岡県立静岡がんセンター 村木隆彦さん

現在の仕事の特徴、魅力、やりがい
 私が勤務している頭頸部外科・食道外科・消化器内科では、手術・化学療法・放射線治療など幅広くおこなっています。特徴として、治療に伴う嚥下機能の低下により食事が以前のように食べられなくなったり、永久気管孔を作ることにより発声ができなくなる患者様がいます。それにより、食やコミュニケーションに大きな支障が出ます。少しでも治療前の生活に戻れるようにどのような支援が必要かを考えることが、とても難しく、そしてやりがいを感じます。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 私がこの分野に携わろうとしたのは、「食」に関する看護をしたかったのがきっかけです。自分が食べることが好きなこともありますが、実習中によく患者様から「入院中の唯一の楽しみはごはんだよ」と聞きました。それすらも叶わなくなってしまう患者様に対し、何ができるのだろうとよく考えていました。その思いを今現場で生かせるように頑張っています。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 最初は将来認定看護師や専門看護師を目指したいと思っていました。しかし実際に働いてみて、一つの分野に特化するためには、まずは様々な分野を知らなくては総合的に見ることができないということに気づかされました。まずは十数年かけていろいろな分野を学び、その中から自分の本当に学びたい分野を見つけ、それらに挑戦していきたいと思います。

後輩へのメッセージ
 後輩の皆様、自分が働く病院や分野で悩む時期があると思います。自分に合う合わないはあると思いますが、やらずに苦手意識を持たず、さまざまな分野を学んでください。実際に私は緩和や慢性期の方が自分に合っていると思っていましたが、今は急性期の病棟でやりがいを持ちながら働いています。実は自分に合っていた、そんな分野もあると思います。日々の勉強や実習、国家試験の勉強は大変だと思いますが、自分の目指す看護師になれるように頑張ってください。臨床の現場で出会えることを楽しみにしています。

聖隷浜松病院 大杉純子さん

現在勤務している領域の仕事の特徴、魅力、やりがい
 私は、皮膚・排泄ケア認定看護師として、病院内を組織横断的に活動しています。皮膚・排泄ケア認定看護師は、日本看護協会で認定された創傷、オストミー(人工肛門・人工膀胱)、排泄ケアを専門に行う看護師です。看護スキンケア外来では主にストーマ保有者の支援を行っています。また、褥瘡管理者として、病棟看護師と協働して褥瘡ハイリスク患者さんの褥瘡予防ケア・発生後のケアを実践しています。私が携わる領域のケアは、看護の力で患者さんのQOLを向上することができることに、魅力とやりがいを感じています。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 内科病棟から外科病棟に異動になり、ストーマケアの奥深さを実感しました。先輩の皮膚・排泄ケア認定看護師が、ストーマケアに難渋する患者さんのケアを確立し、患者さんが笑顔になっていく姿をみて、私もキャリアアップしたいと考えました。約8ヶ月間休職し、皮膚・排泄ケア認定看護師教育課程で学び、資格を取得しました。当初、休職することに不安はありましたが、違う年代で同じ志をもつ看護師とじっくり専門分野の勉強をすることは、楽しみであり濃密な時間でした。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 2022年に創傷管理関連の特定行為研修を修了しました。特定行為手順書をもとに、診療の補助として、褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去、創傷に対する陰圧閉鎖療法を開始しています。今後は、技術の向上に努め、創傷治癒が進む支援をしていきたいと考えています。

後輩へのメッセージ
 私は、卒業20年後に今の領域に進みたいと考えました。大学在学中や就職直後は今後のキャリアプランを思い描くことが難しいかもしれません。様々なところに出会いや、やりがいを感じることがあると思います。感性高くいろいろなことを経験して欲しいと思います。

聖隷三方原病院 急性・重症患者看護専門看護師 桑原美香さん

 学生時代、先生から「飄々としている」と言われたことが印象に残っています。人とは違う看護計画を立案し、物怖じせず実習に挑んでいたからです。実習先から問題視される時もありましたが、先生は私が患者の病態や言動からのアセスメントを基に根拠ある計画を立案していることを実習先に伝え支援してくださいました。そうした先生の支援が、私のその後の根拠ある創意工夫の実践に繋がっています。

 新人時は消化器外科に配属され、多くのがん患者さんの再入院に関わりました。がんを告知しない時代だったので、「なぜ手術しても良くならないのか」と聞かれる度に心苦しかったです。また、「怖いからそばにいて」と切望する患者さんに対して、葛藤を抱えながらその場を去る事しかできず、「私は酷い看護師だ」とその後も後悔が残りました。そして、この経験が倫理的な葛藤である事を大学院で知りました。

 大学院入学前は管理職をしていましたが、患者さんに最も近い存在でありたい、看護を深めたいと思い、大学院に入学しました。それまで急性期に関わる事が大半であったため、急性・重症患者看護専門看護師をめざしました。倫理や理論など、実践を得てからの学びは学部生とは異なり、より理解ができ、即実践に活かすことができました。大学院時代から修了後の現在も救命センターで働きながら院内外で活動しています。
 活動はフィジカルアセスメント教育から、倫理教育など多岐にわたります。特に大学院修了後は、「急性期の当たり前を覆す」という志をもち、人工呼吸器を使用し挿管している患者の身体拘束解除に取り組んできました。患者さんに挿入されている器械や管で身体拘束が行われているという状況から患者さんの行動をアセスメントし、身体拘束の必要性を検討するようにしました。患者さんの行動を見ていくと、私たちに訴えるニーズを発見します。
 ニーズに対応するうちに自己抜去リスクは減り、身体拘束も不要となるのです。このように、当たり前を見直し、専門看護師として周りを巻き込みながら行動するためには、しっかりとした現状分析や行動の根拠が要ります。大学院で読んだ論文の数々や研究が大きな力となっています。

 2021年に看護部特定行為研修を修了しました。これまで得た知識と実践力を活かし専門看護師・特定看護師として、地域に活動を広げていきたいです。

聖隷訪問看護ステーション三ヶ日 濱田史子さん

現在勤務している領域の仕事の特徴、魅力、やりがい
 訪問看護の仕事は他領域の看護に比べて家に訪問をすることで、ご利用者の様々な人生の価値に触れやすい場であり魅力的だと思います。同じ疾患であっても、誰一人として同じ生活や価値観はありません。今までご利用者やご家族が生きてきた物語(生活)があり、それを尊重しながら課題に対して共に考え、自己決定できるように支援をすることが魅力的、やりがいでもあり、日々学びがあります。

今の領域(職種)に進もうと思った理由
 私は、聖隷短期大学にいる時から訪問看護師になりたいと、卒業後県外の保健学科に進学しました。病院勤務を経て訪問看護を20年程度経験した時に、様々な良い看護をされている先輩方が退職をし、良い看護が受け継がれない事の寂しさや、自分の経験としては実践を伝える事はできるけれど、論理的に後輩に伝えることができないと感じました。そのため、聖隷クリストファー大学大学院博士前期課程に進学し、在宅看護専門看護師となりました。

将来の夢や今後挑戦したいこと(これからのキャリアプラン)
 在宅看護専門看護師として、スタッフが生き生きと仕事ができるように、学んだことを活かしながら共に悩み考え実践を行っていきたいと思います。多様な価値観を持ち生活をされている地域の方々へ、よりよく生活をすることができるように、管理者や地域の他機関とも連携をとりながら地域作りに参加できればと思います。

後輩へのメッセージ
 様々な人と触れ合う経験をし、多様な価値観を、決めつけることなく一つひとつの出会いを大切にしてください。また、どういう様に自分が感じたのか五感も大切にしてください。今の私も、様々な人との関わりの中で、助けられて生きています。これからも、感謝の気持ちを持ちながら一つひとつ進んで参りますが、どうぞ皆さんも一つひとつの経験を大切に過ごしてください。

袋井市立聖隷袋井市民病院
看護部 課長 特定看護師

渡邊 真智子さん

2001年度 聖隷学園浜松衛生短期大学 看護学科卒業
2020年度 大学院博士前期課程修了

卒業生が語る、私のキャリアパス

 私は2018年に看護学研究科博士前期課程に入学し看護管理を学びました。当時、自施設に係長として勤務していましたが、自身の看護管理実践に自信がなく、看護を学びなおしたいと考えたからです。看護管理学領域のゼミでは、ディスカッションを通して物事の本質を捉える事の重要性を学びました。教授の「本当にそうかしら?」という問いは、今でも思考と判断の礎になっています。
 前任地である聖隷三方原病院の救命救急センター(現、高度救命救急センター)で新人時代を過ごしました。印象に残っているのは、看護師になって2年目の頃、心不全の悪化で入院した高齢の患者を担当した時のことです。患者は、入院後も心不全のコントロールに難渋し、「(自宅に)帰りたい、帰りたい」と言っておられましたが、その翌日にお亡くなりになりました。自身に意思決定を支援する力や、急いで在宅調整する力があれば、患者の思いを叶えられたのではないかと、思い出します。患者さんとの出会いは一期一会です。私は経験を積み重ねても、いつでも真摯に、折に触れ、自分の看護を振り返るようにしています。
 救急外来ではトリアージナースの役割を通して、頭の先から足の先まで疾患があることを認識しました。この経験が、現在の臨床推論や判断力に大きく影響しています。
 現在は、回復期リハビリテーション病棟の看護課長の役割を担っています。看護師が専門職として自律した実践が出来ること、自分達の看護を言語化し、患者さんにとって最善であることを追求する姿勢を大切にしています。また2022年度に特定行為研修を受講し、特定看護師として活動しています。自施設で1人目の特定看護師でしたので、手順書の整備や、医師との調整、「特定看護師業務基準」を作成しました。このことを通して、看護管理を学修した経験と、特定行為研修を受講した経験が一つの線でつながったように感じています。
 今後の目標として、看護師が専門性を発揮し、個々の豊かな看護実践を支える看護管理者でありたいと思います。特定看護師の仲間を増やし、適切な臨床判断を行うことができるスタッフを育成することで、自施設の看護の質をより向上させることが、これからの目標です。